日本小説

情けを知る

GWが終わってしまった。 どこへも行かず、なにもせず・・・ いや、 ゆっくりした。 貪り求めるばかりが人生でもないしね。 4日にバイト先からメールで「5日か6日、出れない?」って。 以前と違って、みんな休みをとるようになったみたいで、全然人がいないら…

沈黙。とりとめもなく。。。

朝晩の空気の冷たさに、秋の深まりを感じる。沈黙 (新潮文庫)/遠藤 周作 ¥594Amazon.co.jp神に対する愛は盲目的な愛に思う。疑うことを知らない。でもそれは、『盲目的に神に愛されている』という前提があってのこと。自分は神に愛されている。そう盲目的に…

沈黙

沈黙 (新潮文庫)/遠藤 周作 ¥594 Amazon.co.jp 読もうかな。と、開いては、止め・・・そんなことを何度も繰り返していた遠藤周作。話がキリシタン弾圧とわかっているので、読み進めれば、拷問など凄惨な場面が出てこないわけがない。想像するだけで無理。読…

辻仁成

海峡の光 (新潮文庫)/辻 仁成 ¥432 Amazon.co.jp 様々に話題性をもった人(辻仁成)だけど、この作品の前では、その才能に圧倒されるばかり。刑務官の「わたし」と、そこに入所してきた受刑者の「花井」。この関係のずっと以前、子供時代「わたし」は、花井…

古都

北陸地方では、7月27日頃から湿った空気や気圧の谷の影響で再び雲が広がりやすくなる見込みです。気象庁の長期予報によると、8月に入ると晴れる日が多くなると見られます。このため北陸地方の梅雨明けは8月上旬となる見込みです。ハァ?まだ明けてないんだ?…

親鸞

親鸞 激動篇(上) (講談社文庫)/五木 寛之 ¥607Amazon.co.jp親鸞 激動篇(下) (講談社文庫)/五木 寛之 ¥607Amazon.co.jp親鸞激動編を一気に読んだ。 歎異抄の謎 (祥伝社新書)/五木 寛之 ¥821Amazon.co.jp親鸞と、親鸞を取り巻く人びとの個性に惹かれ、 痛快…

是非もない

100粒ほどまいたヒマワリの種、 その中に1つだけ奇形があった。 新葉が袋状になって、それ以上展開出来ない。 かわいそうだけど、引き抜いてしまった。 残酷。 『是非もなし』信長の最期のことば。 仕方がない・・・ あれだけ自分のしたいようにしてきた信長で…

山本周五郎短編

『風待月』とは6月の別称。 梅雨というと、うっとおしいイメージがつきまとうけど、 風待月というとロマンチックになる。 今日も心地の良い風が吹いていた。 本当は好きな作家の本だけを片っ端から読むのが好き。 若い頃はそうしていた。 好きだから読む。 …

おごそかな渇き

目に汗が入るのがヤダ。 と、気づけば草むしり30分。 1つ2つ摘むつもりが、ついつい夢中になって 朝からシャワーを浴びることに。 外は晴れて強風だけど、 家の中は、東の窓から入る風が温度も湿度も風速もちょうどいい。 柔らかな風がレースのカーテンを…

蝉しぐれ

ここ何年か、季節が前倒しになっているように感じる。 昨日関東も梅雨入り。 でもこの物憂い空に気が休まる。 燦々とした陽光は、こちらもそれなりのテンションを要求されるけど、 しっとりとした庭は、色も音も1トーン低くて落ち着く。 今日はお洗濯も布団…

深い河

昨日ジョギングの帰りすこ〜しだけ、つくし採ってきた。 カメラ構えてたら、犬が「なに作ったん?」と言いながら顔出した。 つくしの佃煮はあげられないから、さつまいもを1個あげるね。 深い河 (講談社文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 講談社 発売…

親鸞

親鸞(下) (講談社文庫) 作者: 五木寛之 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/10/14 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (10件) を見る 下巻、読了。 「ひとつ、ききたい。 そなた、念仏すれば浄土に往生できると本当に思うておるのか」 「…

ギリシア人の愛と死

トロイア戦争で、ギリシャは勝ち、トロイアは滅びた。 そしてトロイアの末裔がローマ人となり、ローマ帝国がギリシャを滅ぼす。 この発端となったヘラ、アテナ、アプロディティの三女神の美の争いは今も続いているのだろうか。 そのすべてがゼウスのはかりご…

親鸞

親鸞(上) (講談社文庫) 作者: 五木寛之 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/10/14 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (18件) を見る 私は歴史小説が一番好き。 他のジャンルの書物を読んで、尚更そう思う。 そしてやはり仏教…

個人的な体験

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)/大江 健三郎 ¥500 Amazon.co.jp 小説を読むというのは、非常なエネルギーを使う。そこがエッセイとは違う。 主人公バード(あだ名)の子供が生まれた。産院の院長はいう「現物を見ますか?」「いいえ、見る前に説明してく…

生きる

生きる (文春文庫)/乙川 優三郎 ¥520 Amazon.co.jp 人生には明暗がある。でも「何を幸せに思うかは人それぞれ」どんなに立派な家に住もうと、どれだけみすぼらしい家に住もうと、その生活がどれだけ満ち足りたものだろうと、日々が苦労の連続だろうと、それ…

きりぎりす

きりぎりす (新潮文庫)/太宰 治 ¥578 Amazon.co.jp 新潮100冊の中の1冊。 太宰中期の短編集。『燈籠』不器用な女性(さき子)が、不器用に恋をし、万引きまでして捕まり、世間から蔑まされ、最後は家の電球を替え、その明るさにはしゃぎ、私の幸せはこんな…

太宰 治

『人間失格』を読むのは4度目。若い頃は、この暗さを受け入れるのには、あまりに自分も自分の周囲も明るかった。読書には、本より自分の背景の方が大きい。今は、暗さと言うより太宰というひとりの人間を受け入れてる。この真っ暗な小説の中、唯一太宰が『…

ギフテッド

ギフテッド(タレンテッド) 最近オカルト小説を読んでてこのことばを知った。ギフテッドは、先天的に高い能力を持っている人。要するに生れつきの天才的智力や芸術能力をもつ。異常なほどの熱情、並外れた集中力、そして、一般人とは一風変わったふるまいが…

川、河、

蛍川・泥の河 (新潮文庫)/宮本 輝 ¥420 Amazon.co.jp 夏休みのせいか書店には新潮100冊が並んでいた。 星の数ほどある書物の中から厳選に厳選を重ねての100冊なのだから面白い面白くない以前に、そこには何かあるはず。これは、そこからの1冊。 泥の河も蛍…

芥川 Kappa

小説『河童』の冒頭は、こんなです。どうか、Kappaと発音して下さい。( °д°) わざわざこの注意書きの意味わかりますか?河童は、Kappaとしか読まないと思うのだけど・・・・・そこで私がまず考えたのが、この頃(昭和2年)は『河童』という漢字がまだ…

芥川 開化の殺人

気になって2回読んだ。それでもまだ考えがまとまらない。キリスト教の教えを受け、初恋相手への恋心を、肉親の愛へ切り替えることが出来たと思ったのは慢心だったと思う。本人も回顧で「早計」とは行っているが。君子危うきに近寄らず。儒学主義もキリスト…

芥川 手巾

面倒なので、あらすじは書かない。自分勝手な解釈の覚書き。主人公の設定は新渡戸稲造を連想させる。武士道は、これしか読んでいない。『武士道』を読む 新渡戸稲造と「敗者」の精神史 (平凡社新書)/太田 愛人 ¥819 Amazon.co.jp これだって登場人物が多く…

迷走中

芥川は大変なんだよ 文中に『最後の審判』が出てくれば、ミケランジェロ・・・ミケランジェロ・・・と、美術史の本をペラペラめくる。 えっと、次はラファエロだって。 あっ!この絵か。知ってる!スコラだっけ?学校にプラトンとアリストテレスがいるやつだ次は、…

メフィストフェレス

芥川の『煙草と悪魔』 私的解釈ファウストに出てくる『悪魔(メフィス)』が主人公。コイツw↓ 「現世で幸せにしてやる代わりに、魂をくれ!」みたいな奴。(赤い服がトレードマークw)悪魔はフランシスコ・ザビエルが日本に宣教師として来る時、一緒に船に乗っ…

解釈

NOW YO-GAKU HITS/オムニバス ¥1,980 Amazon.co.jp 3年ほど前の洋楽HIT曲オムニバス。一発目にロコモーションが入ってる。なんでこんな古い歌が(-"-;Aと、思ったらソフトバンクのCMでスマップが歩いて流行ったね(原曲は50年前)今回このCDを聴いて、この曲に対…

暢気

志賀直哉の『転生』という話が異色で面白い。口うるさい夫とおっちょこちょいの妻。あまりに釣り合わないので、次は鴛鴦(おしどり)に生まれ変わろうと2人は約束する。 何十年か後、癇癪もちの夫は死んで約束どおり鴛鴦に生まれ変わり、妻が生まれ変わるの…

志賀直哉

志賀直哉の小説は、読みやすい。その時代の文豪の重鎮で、その名前が重過ぎて敬遠したくなるけど、名前の重さと小説の難しさは比例しない。この目、この表情、いかにも自然な佇まい、 容姿そのものが風流だな〜うむ・・・この自然な存在感が、この人で、この…

風立ちぬ

『風立ちぬ』 堀辰雄序曲・春・風立ちぬ・冬・死のかげの谷の五部編成。冒頭、「それらの夏の日々、一面に薄(ススキ))の生い茂った草原の中で・・・」で、始まる。いきなり「それらの・・・」だもんそれがまた、コチラの感性を秘かに呼び起こしてくれるわけで(…

櫻の樹の下には

以前は書物に書き込みをするのは嫌だった。本は宝物。大切にしておきたかった。今は、ペタペタ付箋はつける、線も躊躇なく引き、書き込みもする。大切にしたい対象が、本という物質的なものから言葉の中の精神的なものへと変わっていった。若い時には、まだ…