エジプト


エジプトの衝突で多くの犠牲者が出ている。死ななくていい命が失われている。

イスラムの国で多数決をとれば、イスラム主導の政権になるのは当たり前のこと。

民主化したら、よりイスラム式の厳格な憲法になってしまったというのだから、

近代化を望む国民に反発が多いのもわかる。

エジプトの抱える一番の問題は、若者の失業率の高さ。貧困。

ハッキリ言って、貧しくなければこんな混乱は起きない。

衣食足りて礼節を知る。だと思う。

そう言えば、この前イラン人の本を見てたら、

イスラムの断食がつらくて嫌で、隣のアフリカへ逃げて行ったら、

アフリカには食べ物自体が無かった。』と、書いてあって笑ってしまった。

民主的に選ばれたとはいえ、

イスラムの指導的立場の者が逼迫したエジプト財政を政治的に立て直せる能力があるかといえば、

それはまた違う話なのかもしれない。

私たち側からみれば、政教分離は当然のことで、宗教が政治に関与するなんてとんでもないこと。

でもイスラムの国にそれを当てはめて考えたらいけない。

こちらの思想をそのまま持ち込もうとしたら、イスラムイスラムでなくなる。

イスラムは血です。

宗教は理屈ではない。いけないものはいけない。

うちの親もよく言ってた。「理屈ではない、いけないものはいけない。」

理屈もなく、いけないものはいけない。法がそんな高圧的だとしたら従えない人もいるのもわかる。

だからといって、

国民が選んだ大統領を軍部の力で引きずり下ろせば、支持者が黙っているわけない。

同胞がやられれば、助けるのがイスラムの教えですから。

元大統領支持派と国の治安部隊が衝突をしている。

エジプトの軍隊は若者の失業対策でもあって。

軍隊に入り僅かでもお金をもらえれば、彼らは助かる。

今、デモをしているムスリム同胞団も、元は貧しい人たちを救う活動に熱心な団体で、

それはイスラムの基本的精神でもあるし、それだから国民から支持を得て政権もとった。

国民から選ばたのには選ばれるだけの理由がちゃんとある。

貧しい者に優しいとされている団体だから選ばれた。

要するに、

今直接に衝突しているのは、

両方が貧しいエジプト人同士ではないかと。

軍隊といえど、食べるために必死な国民には違いない。

国政が悪く貧しいから、こんなことが起きている。

貧しい者が貧しい為に殺し合っている。

悪いのは指揮をとってる裕福な上層部に思う。

貧しいエジプト人同士が武器を持っていることがありえない。

この前までガソリンも無いと言っていたのに、装甲車があんなに走っている。

エジプトの軍隊にはアメリカが多大な援助をしている。

エジプトの収入は観光に頼るところが大きい。それなのにこんなことをしていたら、本末転倒。

アラブでは、軍隊が力をもつと、必ずクーデターが起きる。

それでも、アメリカはイスラエルの件があるから、エジプト軍への援助はせざるおえない。

そして今回の衝突で、サウジやクエートなどアメリカ寄りの国からエジプトへ8000億円の支援がされている。

今日本でもガソリンが上がってるのは、その8000億円分の穴埋めなのでは?と思ってしまう。

エジプトの収入となり、貧しい者が救われるための8000億円ならまだしも、

軍隊の武器になるとしたら、本当に世の中とは、いつの間にか悪の片棒を担がされている気がする。

たとえば、本当に貧しい者同士なら素手で戦っても何百人もの死者は出ない。

食べるだけで精一杯なのです。

誰かが武器を与えている。他国からの支援という形で。

ムスリム同胞団も治安部隊も『何か』の為に戦っている。

戦う正義の理屈などいくらでもつけられるけど、

現実の目の前の敵を見れば、同じ国民の同じ貧しい同志で、武器をもって争うべき相手のハズがない。

なので、エジプトの衝突は残念でしょうがない。

他の国からの援助金でエジプトの経済の建て直しが出来れば、

若者に仕事が与えられれば、こんな悲しいことは起きないと思う。

世界の軍需産業は伸びている。

景気良くするためには、何を作って何を売ってもよいのか。

どれだけ稼ごうと個人の自由なのか。

アフガニスタンやエジプトやシリアの武力衝突は間違ってるけど、

その裏で儲けている先進国がある。

お金は仮想です。

想定外にものに変わっていくのがお金です。

援助するなら、食べ物とか技術とか、仮想で無いものにしないと援助が支援にならない。

エジプトの混乱が1日も早く解決しますように。

犠牲にしていい命なんて1つもないですから。