土曜の昼下がり


いつも行く本屋さん。この辺りでは一番大きい。

昨日行くと、移転していた。

イヤナ予感・・・・・

案の定、かなり縮小。

ゆったりとしたスペースに抜群の品揃えだったのが、新書なんて今までの10分の1も無い。

もったいない。

あれほどのスペースを維持するだけの顧客がこのあたりにはいなかったんだなぁ。

手にとって本を眺めていたら、「ごゆっくりどうぞ」と椅子まで用意してくれる本屋さんは、

そうそうは無い。

あの空間を維持できなかったことは、もったいないなぁ。

本を読む人が減ったとは思わないけど、

図書館利用、ネット利用は増えているのかもしれない。

あまり長居もせず、1冊だけ購入。


ポケットアンソロジー 生の深みを覗く (岩波文庫)

ポケットアンソロジー 生の深みを覗く (岩波文庫)

タイトルに惹かれて手にとった。

谷崎潤一郎プルースト夏目漱石モーパッサン、、萩原朔太郎カフカ森鴎外魯迅ドストエフスキーなどなど

そうそうたる顔ぶれのアンソロジー

1冊になった時、どんな感慨をもって読めるのか想像がつかない。

本を購入したあと、スタバでラテを飲みながらページを手繰るのが至福の時なのだけど、

土曜でスタバはいっぱい。

んー仕方なくフードコートへ行った。

フードコートはあまり行かない。

小さな子が多いから、落ち着かない(笑)

土曜日でコチラも混んでいたけど、席は確保出来た。

しばらくすると、「コチラ空いていますか?」と、子供を連れたお父さん。

小学校低学年の男の子は、ジュースを飲みながら、

買ってもらったミニカーで楽しそうに遊んでいる。いい光景だなぁ。

立ち去る時もひとこと、「お邪魔しました。」とお父さん。

ココは、本を読む場ではない。私の方こそお邪魔様だ。

子どもはそんなやり取りをポカーンと見ていた。

子どもは親の言ったとおりではなく、親の姿のとおり育つという。

この子には、このやり取りの意味はわからなくても、教えなくてもいずれわかる時がくる。

今度は、小学校4年生くらいの5人組がすぐ近くに席をとった。

4人がけの席で椅子が1つ足りない、

そのうちの1人が「この椅子もっていっていいですか?」と、私の向かいの椅子を指差した。

子どもたちだけで浮かれてはいても、ごく自然な振る舞いとしてマナーが身についている。

こんなことは親が教えるわけでなく、親の姿のまま育つのでしょうね。

土曜の午後の昼下がり。

ネットで本を頼むと、こんなひと時は得られない。

買った本は紙の質もすごくいい。贅沢な一冊、贅沢なひとときに、幸せな気持ちがした。