面白くても理科



おもしろくても理科 (講談社文庫)

おもしろくても理科 (講談社文庫)

理科苦手。

多分小学生で、すでにつまづいている。

そして、別にわからなくていいもん。と開き直ったままこの年齢まできた。

理科がわからなくて困ることはなかったけど、

それは実は困ってることさえ気づいていないんだろうということくらいは、

気がついている。

でもこの歳になると、苦手なものほど読むと面白い。

それもそのはず、小学生レベルにも達してないのだから、なにもかも新鮮で面白い。


理科って、壮大。

社会や歴史は、人間です。

基本、歴史は、年代や名称が確認出来てるもので、

それ以前の「あったそうだ。。。」的なものは神話で、

年代や名称がはっきりしてるということは、すでに人間を中心においてみている。

人間とは何か。以外なにものでもない。

でも理科は、

人間なんて、動植物の中でも新入りで、

今まで地球には10兆種類もの生物が生息して、

9兆9億9千万種類の生物が絶滅した。

人間も絶滅したって、なんの不思議もなく、

細菌だって、自分の命がかかっているのだから必死さは同じ。

細菌が死ぬか人間が死ぬか、生死をかけた闘いが風邪っぴきの中で繰り広げられている。

感情論で闘っているのでなく、種の存続をかけての闘い。

社会は人間の感情で考えるからとても重い。身悶えしたくなるほど苦しくなる時がある。

でも理科は合理的で、気が楽になる。

蟻の巣を壊しても、

蟻は悲嘆にくれて泣き崩れはしない。

いや、心の中では泣いているのかもしれないけど、

あら?私のおうちが無いわ。また作らなきゃ。よいしょよいしょ。

隣の巣が壊れたってボランティア活動などしない。

合理的に自分の人生を生き切るのだ。


自然は壮大!舐めてもらっちゃ困る。

少子化問題というけど、

高度な文明の快適な生活を望めば、経費がかかる。

稼ぎ出す以上に金がかかるのだ。

そうなれば、出生率の低下は自然の成り行き。

社会が悪いというより、これも生物の自然循環の一部でしかない。

政治が自然に勝った時には、ロクなことがない。


地球の出来立てホヤホヤは、二酸化炭素が主で、それが変わり者植物からの排出で酸素が生まれ、

二酸化炭素で楽しく生きてきた生物たちは絶滅し、酸素で生きる生物に乗っ取られた。

それだけで「うぉ〜〜〜〜〜!」と思ってしまう。

だって、

今CO2が問題になっているんでしょ?(笑)

んでも、地球は元々そっちが原素ならぬ元祖で、人間が絶滅しても二酸化炭素が得意な生物が

ちゃーんと主権を取り戻して、そしてまた新たなる進化が繰り広げられる。

王政復古みたいなもんだなー。

生物はいつか滅びゆく運命。私たち人間族も歴史の断片でいいんだと思う。

命を繋いでいくものが人間でなくてもいいわけだ。

CO2が増えれば、オゾン層が破壊され、紫外線は生物に良い影響は与えない。

それでも、それに耐えうる生物が覇者となって生き残る。

それが自然の循環ってことだと思う。

いつも人の視線でしか世の中見えないけど、地球視線でみると全然違ってくる。


地球だって、星としては2代目らしい。

1つの大きな星が爆発し、粉々になって、そこからまた集まって、

太陽や地球や月が出来た。

地球でさえ、1度滅びたあとの進化なのだ。

すごい!

こんなこと、感情を移入して考えたら、滅びる話は悲しくて悲しくて

いずれ滅びてしまうことを考えたら虚無的になるかと言えば、

ならん。

逆に希望の星だ。滅亡の先がちゃんとあるのだから。

すべて宇宙の欠片。

人間にも地球にも寿命がある。

人間は成長もするが確実に言えることは、一歩一歩死に向かっている。

地球もそう。

進化と滅亡は同時進行。


社会とか理科とか、

両方を学ぶことで、心のバランスがとれてゆくのかもしれない。

感情的過ぎても生きてゆきづらいし、

合理的すぎても生きてゆきづらい。

知識として以上に、心のバランスに大切なんだと感じる。