先天的と後天的



遺伝子が明かす脳と心のからくり―東京大学超人気講義録

遺伝子が明かす脳と心のからくり―東京大学超人気講義録


遺伝的にMAOを欠損している家系があって、その家系のなかで遺伝子が欠損している人は

非常に暴力的な行動を起こすことがわかりました。

サイコパスというのがあるんだね。初めて知った。

冷酷残忍で、罪悪感も後悔も無い、共感性が無い精神の異常者。

凶悪事件でも、精神異常があれば無罪になったりするのはこういうことなんだ。

知らなかったよ。

私は、

人を殺す行為自体が精神正常であるはずないと思っているから、

精神異常で無罪というのは納得出来なかったけど、

先天的に欠けてる人・・・というのがいるんだね。

残忍な行為が出来るのは、相手の痛みがまったく自分に伝わってこないからだ。

私は人間は後天的な比重が大きいと思っていたけど

先天的なものの重さは私にはわからなくて、

でも反社会的な遺伝子が残忍な事件を起こすのもきっと現実で

これ以上ない苦痛に襲われた被害者とそのご家族がいるのも現実で

死刑になった人もいるのが現実で、

無罪の判決を受けた人がいるのも現実なのだと思う。

私が先天的にそういうものを抱えてたら、私もそうなる可能性がある。

でも自分自身がそのことに苦しんでいたとしても「助けて・・・」と言うことも出来ないんだと思う。

あまりに悲しいね、人間は。

感覚の違いを何も気づけない。

今、知脳、感情、意識といったものが、

脳内の神経伝達物質(分子)に置き換えられる時代になってきた。


うつ病で自殺した人の脳を調べてみるとセロトニンという物質が非常に少ないことがわかってきました。

私は、MAOが欠損してなくて、セロトニンが多いから、こんなにのんきでいられる。

もちろん、それが全てでなく、もっともっと複雑に色々絡み合っているんだろうけど。

○●△▲□■←こんな風にいろんな化合物があって、

人間もその1つにしか見えなくなってきた。

どんな遺伝子であろうと、遺伝子にいいも悪いもない。

でも

つらいな。

先天的なものの責任をすべてを背負って生きていかなければいけないこと、

どこにも逃げられないこと。

この大空に翼を広げ飛んでゆきたいなー

悲しみのないー自由な空へ翼はためかせゆきたいー[翼をください]


第7講義 事件で考える生命倫理

倫理というのは、時代と文化によって変わりうるということを学生たちに

しっかり教えることが目的です。

しかも自分のもっている遺伝子に善し悪しはないということを、頭に叩き込みました。

生命を勉強せずに生命倫理を唱える似非学者、ただ報道を垂れ流すマスコミ、

これらの情報に埋もれずに判断するには、自分が勉強することを、しつこく教えました。

生命倫理自体のちゃんとした骨組みみたいなものはほとんどないのです。

生命倫理とは何か、遺伝子倫理とは何か、と言われてもよくわからないというような状況が今続いています。

そういうなかでやはり問題になるのは、事件が起こったらどう対処するかということです。

すごく難しい勉強なんだろうけど、

こういうことをきちんと指導をしている人がいる、

こうゆう方面に進み、学んでいる若者たちがいること心強く思う。

人間の生命のために一生懸命研究と勉強を重ねている人たちがいる。

生きている人の脳を開いて調べるわけいかないから、脳研究のあゆみは歯がゆいものがあるけれど、

ん・・・私は献体したいな。全部どうぞ。

この本は東大生への講義です。

「化合物質名はあまり使わないようにします」と言いつつ内容は化合物質名だらけで、

私には名称はちんぷんかんぷん。でも言ってることは、なんとなくは、わかる。


ドーパミンと意欲は結びついていて、

ドーパミンの無いマウスを作ったら、水も食事もしない、遊ぶこともしない、そのままにしておくと

餓死状態になる。そして薬を与えるとちゃんと食事を摂る。でも薬が切れると食事をしない。

ドーパミンが出ない病気が、パーキンソン病

ドーパミンが少な過ぎると、意欲低下、動きがスロー、うつ病

ドーパミンが多過ぎると、ADHD、多動、映画のヒーローみたいになっちゃう。

もっと多くなると、幻覚、被害妄想、統合失調症、ということになる。

意欲とか性格とかいわれるものは、ドーパミンの出方が関係しているってことか。

多分、社会を引っ張っていってるのは、ドーパミンプラス傾向の人なんだろうなー。

いくら勉強しろと言われてもドーパミンが出ない事には、厳しいんだと思う。

むしろ、プレッシャーになってドーパミンの出が悪くなりそうだ。

努力は本人の自覚なしには無理だ。

うつ病の人に頑張れと言ってはいけないのは、

ドーパミンが少なくて意欲低下してるところに、プレッシャーをかけることで

さらに、ドーパミンが出なくなるという悪循環ってことなのかな。

ドーパミンの量は、ひとりひとり違って、きっとそれも体質が絡んでいるんだろうけど、

ドーパミンを出すような薬もあるみたいで、

アルツハイマー用の薬で記憶力を良くする薬もあるみたいで、

それはとてもありがたいことだけど、

ランナーズハイとか、オーガズムとか、そういうのもドーパミンなのかな?!

ドーパミンじゃなくても、何かしらの物質は脳から出てるんだろうなー。

その出方に個人差があるのだろうけど、

人の性格も感情も知能も、すべて分子に置き換えて、薬で加減出来るようになったら、

どうなっちゃうんだ?!

もうドーピングどころの話ではなくなる。

今は、感情のコントロールが出来ないから苦しくて、つらくて、・・・・・・・

それが薬でカバー出来て全世界がいつもニコニコ笑顔。

つらいことは記憶を消してしまおう。

それって幸せってこと?

感情のスイッチがお腹についてて、オンオフの切り替えをする・・・星新一の世界だ。

遺伝子の研究は、生命倫理そのものだから、注目しておかないといけないと思う。


他人の感覚というのは想像しずらいのだけど、

リスクに対する感受性は、生まれつき人によって違うということが遺伝子の研究から

わかってきたらしい。

女性は危険を嫌う、特に女性は家族に対するリスクを非常に嫌うということがわかった。

それから、

女性は科学技術を嫌う、もしくは恐れる。

何か新しいことを恐れる。

なるほど・・・・・

子供を生んで育てるという役目上、そういう性質になるんだろうね。

過剰とも思える女性の反応、男性にはきっとわからない。

うん、きっとわからない。