女が愛に求めるもの


色んな絵の具を混ぜたような私の心は、

いや、混沌の中でも混ざり合わず1つ1つ不明瞭な色として存在するのだけど、

この気持ちは1つとして、取り出せない。

涙が透明なのはどんな感情も単色ではないからかな。


女が愛する男に望むものは『優位性』

男の中で、自分がトップでなければ、心は満たされない。

世界のあらゆるものより自分が優位に立っていることで心の安定がはかれる。

それは、愛とか心といった抽象的な言葉でなく、

確かにこの目に見えるもの、男の行動でしか測れない。

論より証拠。他にない。

一緒にいてくれることに安心を得、一緒に暮らせることで永遠の安心を望む。

では何故一緒にいても不機嫌になるか。

それは『自分との100%の共感』が得られてないから。

正論も説教もいらない。

男は頭で策を講じようとするけど、女はそんなもの望んでない。

望んでないどころか、そんな姿勢にもイライラする。

女は、ただ『感情のみで共感』を望む。

何もかも理屈じゃない。そもそも恋をしたこと自体が理屈じゃないのだから。


悲しいことに、

愛することで、愛に囚われる。

愛を失うという不安と、愛に裏切られるという猜疑心、

そんな負の感情を頭で必死にコントロールしようとする。

大人の女でありたい、

ものわかりのいい女でありたい、

現実をわきまえたい、

そして相手を信じたい、

そんな理性が負の感情を押さえ込むのだけど、

どうしたって理性より感情が先に立つ。

悲しくなって泣くのでなく、先に涙が流れる。

そしてコントロール不能となった情けない自分を激しく嫌悪する。

愛の苦しみは自己のもつエゴに正比例に思う。

起こることは、相手でなく自分の性(サガ)の反映。


頭でコントロールしなければいけないような恋、

人間の恋は、私はもういらない。

欲と直結したものは、恋であっても敬遠したい。

歳をとるって、そういう意味でとても楽になる。