もっとおもしろくても理科



もっとおもしろくても理科 (講談社文庫)

もっとおもしろくても理科 (講談社文庫)

おもしろくても理科の第二弾。

清水先生は相変わらず面白い。

面白いし、自分が抱いていた疑問があっさり解けてゆく。

生物と非生物の定義、動物と植物の定義、男と女の定義。

『はじめての植物学』を読んだあとなので、話に繋がりがあって余計面白かった。

「進化はなんでこんなにとっちらかってしまったんだろう」と疑問に思っていたのだけど、

エントロピーというのが、あって、

物事は放っておくと、とっちらかっていく法則があるらしい。

そんな法則があるなら、

時代が進むにつれ、物事は解決してゆくように思うけど、

もしかしたら、余計にとっちらかってゆくものなのかもしれないなー。

解決が次の問題を生み出しているのかな・・・?

例えば、私は今年断捨離に専念しようと思うけど、

私の家がスッキリしたとして、

断捨離した『モノ』は、私の家からこの世のどこかに移動するだけで、

それが新たな『ゴミ』問題を生むとすれば、

世界規模で考えれば私の断捨離によって世の中がとっちらかって、

結果的にエントロピーってことなのかな。

エントロピーってなんなんだろうって思うけど、

清水先生はエントロピーに関してこんな風にいっている。


エントロピー先物取引きには、素人はうかつに手を出さないほうがいいのです。

知らないままヤメておきます(笑)


『はじめての植物学』では、植物は動けないから強くなったとあった。

この本では、

植物は光合成で生きている。

土、太陽、水は、その場で調達出来るから植物は動く必要が無かった。

動物は光合成が出来ないから、食べるために自ら動くしかない。

にんべん+動く=働く。

人が働くのは食べるためなのだ。

どちらの本も同じことを言っているけれど、真逆から感じているのが面白い。

引きこもりってあるけど、

食べていけるなら、動かないのは、多分生物の基本形としてあるのだと思う。

世の中が、合理化、合理化いうのも、なるべく省エネで生きたいからで、

生物は、無駄なエネルギーは使わない生き方が基本にある。


男女の違いに関しても面白い。

男と女は、Yという染色体で決まる。

基本が女(X)でYが入ると男になる。

それは受精時に決定するのだけど、

それとは別に、脳の性分化があって、それは妊娠四ヶ月から七ヶ月の頃だという。

それは性器とは違って、

男性ホルモンが多いと男性脳、女性ホルモンが多いと女性脳だそうで、

母親のストレスなどが影響する。

体が男になるか女になるかは、染色体できまるが、

個性が男になるか女になるかは、ホルモンのバランスで決まるということになる。

しかも

染色体からホルモンは出るもので、そこにも例外はある。

なので睾丸、卵巣を半分づつの両性具有の人もいて、

はっきり男、女といえない場合もあるという。

男か女かは、完全分離されているわけでなく、

男性器と女性器は元々が同じ。

クリトリスが陰茎になり、大陰唇が陰嚢になった。

基本が女(X)なので、男性にも乳首が残っている・・・ということになるらしい。

男か女かは、100%でなく、男寄り、女寄り、くらいのものだということになる。


進化は面白い。

進化といって、前進なんだか後進のだかはわからないけど、

生物の最初は何から始まったのか。

科学的に考えると、科学と遠くなってしまいそうなとこも面白い。

そこが解明された時、世の中はひっくり返るほど、認識が変わることもあるんだろうなー。