美人の日本語


スミレの種を播いた。

鹿沼土赤玉土を砕いて、そこに種をおいて、うっすら培養土をかけた。

家の西側の風通しがよく、直射日光の当たらない所で日よけを翳して、下から潅水。

芽・・・出るかな。

品種を調べてみたら、葉っぱから『フイリフモトスミレ』かな?と。

スミレのタネって、

アリの好物が付いていて、

アリが巣に運んで食し、残骸のタネを巣から放り出すんだって。

アリによって、あちこちに運んでもらう。うまく出来てる。

運ばれる先がどこだかはわからないけど、

そういうリスク背負って、あちこちであることが肝心なんだなー。

狙ってというより、アリが好きな物質を宿した種子がより多くの命を繋ぐことが出来て、

そういう遺伝子をもつ花になっていったんだろうなー。

たまたま・・・が、長い年月を経て総てに通じる。



美人の日本語 (幻冬舎文庫)

美人の日本語 (幻冬舎文庫)

4月1日から3月31日まで嫋やかな日本語が1日1語綴られている。

日本語の美しさって、

いや、他の言語を知らないので比べての話ではないけど

日本語の表現力、柔らかさ、厳しさ、奥の深さは、文字の域を超えているんじゃないかと。

『花舞小枝』とは四月の色だそうです。

春風に揺れる花を支える小枝のような、黄色みがかったしなやかな茶色をいう。

花ばかりに目がいって、その奥の枝の色まで気付かない。

花だけでなく、枝もほんのり色を変えていく・・・

そんな所にも目を止める日本人の優しさから生まれた色なのですね。

花舞小枝、響きもいいな〜。

『和草』(にこぐさ)

生えたばかりのやわらかい草や、葉や茎の柔らかい部分をいうそうです。

「和(にこ)し」とは、柔らかいとか細いという意味。

「にこにこ(^_^) にっこり(^_^)」は、ここからきているようです。

〜葦垣(あしかき)の 中の和草 にこやかに 我と笑(え)まして 人に知らゆな〜(万葉集

(和草のように、にこやかに私に微笑みかけたりして、二人の仲が、他のひとにばれないようにね。)

恋心って、嬉しさと恥ずかしさと入り混じって、ちょっと困ってるんだか、困っていないんだか、

かわいらしい春の句ですね。

万葉の時代も今も、何も変わっていない。

『立往生』

立往生といえば、困ってどうにも決断がつかない様子。まさに今の私。

元々の由来は『弁慶の立往生』で、

義経をかばうため、仁王立ちになり討手の前に立ちはだかり、

矢を次々受け、それでも弁慶はビクともしなかった。

弁慶立って相手をにらみつけたままはすでに息絶えていた。

弁慶の覚悟ある志し。

今、立往生している私には、弁慶の立往生に喝をいれられた気がします。


なんとかこのまま回復を・・・と思っていた犬は、今朝方嘔吐をし、

内科的治療では絶望的かな・・・と。

あとは、このまま衰弱していくのを見守るか、思い切ってお腹をあけてみるか。

どちらか考えないといけないようです。

幸い、嘔吐しているとき以外は私の横で眠ってくれているので、

それだけでも充分充分ありがたく思っています。