自国の誇り


今、イギリスがEU脱退に傾いている。

日本がTPPを模索する中、その動向が気になる。

TPPもEUも共同体の理念はいいのだけど、

どの国も自国の誇りをもっている。

それは『他国』とは違うということ。

『他国』と違う部分を、自国の誇りとしている。

自国の誇りは、すなわち他国への偏見かもしれないけど、

日本は、四季が移り変わりが細かいせいか、

繊細で、他国からみたら、神経質に思えるかもしれない。

でも、風土に則した生き方は、国ごとに違う。

それなのに、食の安全基準の擦り合わせなど、してよいものかな。

経済の為、そこを統一してしまうのは、

脳はOkを出しても、生理的にNoではないのかな。


この本を読んでいると、

どこの国にも誇りがあるのがわかる。

砂漠に住む人、熱帯雨林に住む人、海を糧に住む人、

風土と共に民族の気質が出来上がっていく。

私なんてついつい、イスラムはどこも似たようなものかと思うけど、

それぞれ国ごとに個性をもっている。

だから、国が違うともいえるのだけど(笑)

イランにはペルシヤ文化がある。アラブと一緒に見て欲しくないようだ。

シリア、イラクは、チグリス、ユーフラテス川という文明の発祥の地であることを誇りに思っている。

フランスは、宮廷文化という煌びやかなものをもち、欧州の主役として居座っている。

ドイツは、パリやローマに遅れをとるが、そこに反発をもちながら

哲学的に真摯に生きることを良しとしている。

イギリスは、何もない(笑)

実は何もないけど、それだから、紳士であることを何より誇りに生きている。

欧州も1国1国、気質が違うし、偏見も強い。

インドはインド的な哲学で、中国は儒教で国を成しているけど、

こうしてみていくと、

どの国も誇りを掲げているが、

それは経済ではない。

国の誇りは、文明や文化、思想であって、

経済は砂に書いた文字のように、跡形も無く消え去るもの。

国の誇りが、そんな危ういものではないことをどの国も心得ている。

アメリカの経済的優位が、いかほどのものか。

どの国も、ある種冷ややかな目で見ているのではないかと思う。

アメリカが強大な国として認められていても、尊敬に値する国と思われないのは、

誇るものの底の浅さなのかもしれない。