日本に哲学なし

もういちど読む山川倫理/著者不明

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読み終わった。

これは哲学書でなく、思想の流れを把握する書。手元に置いて、ちょくちょく眺めてます。

中江兆民(日本に哲学なし)

「哲学なき人民は何事をなしても深い意味がなく、浅薄さを免れない・・・

自分自身で造った哲学がなく、政治には主義がなく、政党の争いもその場だけで継続性がない、

その原因は実にここにあるのだ。

こざかしくて目先の知恵ははあるが、偉大なことを打ち建てるには不適当な理由がある。

きわめて常識に富んだ人民であはるが、常識をこえて何かをなすことはとうてい望むことができない」

ギリシャの神殿に刻まれている言葉。

『汝自身を知れ』

胸がチクンとする。

私は嘘ついたことある。

私は人を蔑んだり、見下したりする。

それがイジメへと繋がる。

私は、自分を棚の高い所に置いてはいないだろうか。

そして『汝自身を知れ』とは、自分が神では無いということを知りなさいということ。


人には限界があるということ。


それ以外は、自分の力の及ぶ範囲ではない。

人が人を変えることは出来ない。

変えられるとしたら、自分自身だけ。

世の中は変わるものしか変わらない。

この世界は、見た通りのもの、これだけのものでしかない。

どんなに悩もうと叫ぼうと、世の中からイジメをなくすことは出来ない。

出来るのは、私が人をイジメない。ただそれだけ。

人が神と勘違いし、なんでも解決出来たり、正しいことだけが出来ると考えたら大間違いだ。

嫌いな人を好きにはなれないし、他人より自分がとても可愛い。

矛盾した人間の作る世界なのだから矛盾だらけで、不条理である。

これが大前提。

人には必ず・・・、いや、人はどうでもいい。『人』で話したら、逃げだ。嘘だ。

私にはエゴがある。

自我と自己のエゴとの間で悩む、だから哲学を必要とする。

大抵のことは大昔の偉い人たちがとっくに考えてる。

『汝自身を知れ』

他人で語っているうちは、仮想世界、おとぎ話にすぎない。

日本には哲学、宗教、自然科学が足りてないと思う。

非生産分野なので仕方が無いが、

どの分野の人も、神話、宗教、思想、それから源氏物語、そこを外した話はない。

哲学を学んだからといって、問題が解決するわけではない。

そうじゃなくて・・・

学ばなくては生きていけないものに思う。

アメリカの病院で勤務する者が言うには

アメリカでは、子供のレントゲンを嫌がる母親がいるよ。」

安全とはいわれていても、放射線は極力拒否したいのだという。

日本は放射能は嫌っても、国が安全性をうたったものには無条件で頼っているのではなかろうか。

で、何か問題が起きた時に責任問題として問う。

レントゲンが悪いわけではない。

鵜呑みにしてしまうのは、何か根っこの部分が欠けてしまっている。

常に自分の根っこが主体となって考え、行動することが欠けているのではないかと思う。

本当に放射能が嫌ならば、

全ての原子力発電所をつぶし、景気後退、生活レベルの低下、寿命の低下、

もちろんこれは相当大袈裟な話だけど、そういったマイナス面をすべて考慮、覚悟した上で、

それが自分たちの生きる道。と、胸を張れるようにしたい。

何をしたいのか・・・

どう生きたいのか・・・

根っこから考えず、表面のいいとこ取りを考えているうちは、

『哲学なき人民は何事をなしても深い意味がなく、浅薄さを免れない・・・


自分自身で造った哲学がなく、政治には主義がなく、政党の争いもその場だけで継続性がない』

ということになると思う。