大切なもの。
日々起きる嫌なことは『小さな死』
それは、いつか迎える『大きな死のリハーサル』
いつか
いかなる薬も効かなくなる日が訪れる。
否応なく受け入れなくてはならない死が誰にでもくる。
今ある毎日は、
受け入れの準備期間。
それを
『自我に死ぬ勇気』と仰られる。
生きていくうちには、
自分を殺していかなければいけないこともある。
それも勇気。
そうして勇気を蓄えていく。
『老いることは、辱めを受けること』
なんと悲しい言葉だろう。
でも実際、
身体は利かなくなり
周りの者たちに迷惑をかけなければ生きてゆけなくなる。
老いゆくほどに謙虚さを求められる。
謙虚な人間になれるか
辱めを素直に受け入れることの出来る人間になれるか
今ある様々な苦しみは、
この先に訪れる哀しみに耐える力を授けてくれているのだと思う。
著者:渡辺和子
目前で目撃した和子(9歳)の記憶によると、機関銃掃射によって渡辺錠太郎の足は骨が剥き出しとなり、
肉が壁一面に飛び散ったという。
決して自分の思うままにならない世の中を生きてゆくためには、
他人に甘えないこと、
頼らないこと、
不自由に耐えること、
倒れても倒れても起き上がることの大切さを
母親から厳しく躾けられました。
「お父様のお名前をはずかしめることだけは許しません」
背景のある言葉や思いには重みがある。温度がある。
『灰にならないものを大切にしていきたい。』
著者のこの言葉こそ、私にとって灰にならない大切なもの。
本は灰になっても
思いは灰にはならない。
胸に深く深く刻んでおこう。